キッチン掃除の傾向と対策

年の瀬も迫りまくってきたこの時期、ほとんどのご家庭では大掃除に追われている頃ではないでしょうか。
その中でも二番目の難敵がキッチン周りのお掃除。
ホコリと油と食べかすでぐっちゃぐちゃのこの場所をいかにスマートに済ませるかで、大掃除の攻略が決まると言っても過言ではない気がします。
ということで、元化学屋(一応、学生時代の専攻は分析化学)の私が結構マジになって考えてみました。
どの項目にも共通していえることですが、まずは荒く汚れを落として、仕上げをすることです。
一撃で何とかしようと考えちゃ行けません。

換気扇

汚れの傾向:油とホコリ
対策:天ぷら油で古い油を溶かし、台所用洗剤でフィニッシュ

キッチン掃除の最大の敵ですよね、換気扇。
扇風機型にしろフード型にしろ、ホコリを吸いまくった油がどろっどろに溜まりまくっていて、どんなに洗剤をぶち込んでもどんどん消費され、いっこうにきれいになる気配がありません。
ところがね。油って、油に溶けるんですよ。
てことは、きれいな油をかけてやればグリス状の古い油を洗い流すことができるんです。
「きれいな油」と言っても、天ぷら油の残りとかでOK。
換気扇に結構景気よく油をかけて、ペーパータオルでゆっくりと拭いてやると、古い油を笑っちゃうくらい簡単に落とせます。
最後に台所用洗剤で洗ってやればOK。

シンク

汚れの傾向:食べかすとその腐敗物。主にタンパク質と油。
対策:お湯で下洗いをしてクリームクレンザーでげしげしと。

色が変わってたりぬるぬるしてたりと、これを落とすのかと思うと結構げんなりします。
ところがグリス状の油と違ってほとんどが水で流せるモノなので、まずはお湯とスポンジで下洗いをしましょう。
この段階ではお湯を使うのがポイント。シンクの汚れのほとんどは、40度くらいに温めると結構流れていきます。
あと、ここでは洗剤は不要です。どうせ下洗いだから。
次に、ジフなどのクリームクレンザーを景気よくかけて、きっちり洗っていきましょう。
なければ台所用洗剤でもOKです。

シンク内の小物

汚れの傾向:食べかすとその腐敗物。主にタンパク質と油。
対策:お湯で下洗いの後、台所用洗剤で洗浄。次亜塩素酸で殺菌。

三角コーナーバケツとか、排水溝のふたとか、ゴミ受けとか、サイホンカップとか。
シンクとほぼ同じなんですけど、汚れの程度が違います。
顔をしかめながら、まずはシンクと同じ要領でがんばって洗いましょう。
これだけいろいろな種類の汚れがついているのに、薬品だけで何とかしようって考えは甘いです。
スポンジやたわしで機械的に汚れを落とすことが重要です。
その後で、バケツに水を張ってハイターなどの次亜塩素酸で殺菌。
殺菌する際は、水の容量をよく確認しましょう。
バケツにしろキッチン用の桶にしろ、思ったよりも水が入りますよ。

コンロ

汚れの傾向:焦げ付いた食材と油
対策:まずは水漬け、その後スチールウールとクレンザーでがんばる。

焦げ付きは正直どうにもならねぇ……
カーボンって、本気で何にも溶けないんです。
火をつければ燃えますけど、ご家庭の掃除でンな事するわけに行かないし。
しかし完全に炭化していることはまれなので、お湯につけると剥がれやすくなります。
てことで、まずはお湯に10分ほどつけて柔らかくし、その後スチールウールとクリームクレンザーでげしげし削ってください。

なお、五徳の先についている焦げ付きはシリコンが主成分です。
ぶっちゃけ、石ね。
空気中を舞っている砂埃がこびりついちゃってるんですね。
これは赤くなるまで強熱してハンマーで叩いてやるときれいに割れると聞いたことがあるんですが、私は成功したことがない。

コンロ周りの壁

汚れの傾向:油
対策:緩く絞った雑巾で水拭き、天ぷら油で拭き取り、最後にお湯で拭き取り

コンロから蒸発した壁に油膜を貼っている例ですね。
洗剤使おうにも洗い流せないので、結構難儀します。
とはいえ、この辺はほとんどがタイル張りか樹脂コーティングしてあると思うので、それ前提で考えます。
まずはお湯で水拭きして埃を落とします。
下がきっちりした樹脂コーティングで、油膜が薄い場合はこれで結構落ちます。
それで落ちない油は、換気扇と同様にきれいな油でぬぐいます。
このときはペーパータオルに油を含ませて拭くだけでOK。多すぎると後で苦労します。
んで、最後にもう一度お湯で拭き取ります。

キッチンの床

汚れの傾向:食材の切れ端、埃、油
対策:掃除機かけて、お湯で拭いて、床用水拭きシート

強力な換気扇を使っていても、結構油でべとべとしてますよね。
とはいえ、キッチンのほかの場所と違ってほとんどが埃汚れなので、まずは掃除機です。
次のお湯で水拭きします。これは、お湯の温度で油を融かして拭き取るのが目的。
んで、最後にクイックルワイパーの床用水拭きで仕上げます。
いきなりクイックルワイパー使うと、消耗が激しすぎてやってられません。



ところで、一番の難敵は使わなくなった大量のモノの廃棄なんですけどね。
これは……どうしようかなぁ。