昔はいろいろな色の CD-R があった

明けましておめでとうございます。
旧年中は様々な意味で皆様のご支援をいただき、大変お世話になりました。
今年もまたよろしくお願いいたします。

さて Twitter 上で CD とかの規格について少し触れたので、こちらにまとめ直しておきます。
とはいえ記憶頼りのあやふやなネタですが。



10年ほど前まだ DVD が規格戦争を繰り広げていた頃、 PC の恒久的データ保存と言えば CD-R でした。
全盛期には、ホントにいろんな会社がいろいろな生メディアを出していたんです。
やはり安いメディアは耐久性が低く、日光に少し当てるとまったく読めなくなってしまった記憶があります。
しかし高いメディアはきっちりと耐え、特に太陽誘電製のメディアは絶対的な信頼性がありました。

で、おもしろいメディアとしては、色つきの基板を使ったものがありました。
色つきディスクというと PlayStation の黒色基板が記憶に残っていますが、生メディアでも赤、黒、青などがありました。
色付いててもデータを読めるのかと思いますが、これが規格上、なんの問題もないんですね。

CD は波長が 780nm の赤外線レーザーでディスク上の微小な凹凸を読み取ります。
ということは、この波長を規定以上通す物質であれば基盤になり得るわけです。
……と理論的にわかっていても、不思議なものですよね。
てことで当時、赤外線から紫外線までの範囲で、各波長の吸収率を調べたことがあります。
生ディスクを細長く切って反射層を剥がし、色素をアルコールで拭き取って分光光度計にかけました。
そうすると、どの色も見事に 780nm あたりにウィンドウがあることがわかりました。
これならちゃんと読めるわな、と。
ちなみに普通の透明の基板だと可視光領域は全領域で見事に透明で、光学性能の高さを痛感した次第です。

余談ですが、当時 CD-R の光学的耐久性を調べたくて、殺菌灯を記録面に当ててみたことがあります。
ところが一週間くらい連続で照射しても、読み取りエラーがまったく起こらないんですね。
周りのダンボールやホルダー代わりのディスクケースは変色して朽ちかけていたにもかかわらず、です。
おっかしいなーと思って先の吸収率のデータを見直してみたら、透明の基板は殺菌灯が主に発する波長である 220nm のあたりをほぼ完全に吸収していました。
つまり、殺菌灯にとって CD-R の基板ってのは真っ黒なんです。
ところがブラックライトの 365nm 付近は 50% ほど透過していたので、こちらに切り替えて加速度試験をしていました。
あ、以上は全部趣味ね。



今となっては HDD のクラッシュですべて消えてしまったのが心残りです。
DAT には残っていたはずなんですが、こちらもドライブが壊れてしまったので復旧不能
ええ、個人で DDS4 使ってましたw