金環日食

4月14日(土)、「わんくま同盟名古屋勉強会#21」にスピーカーとして参加してきました。
わんくま同盟IT技術者が多く集まるコミュニティですが、勉強会そのものはノンジャンルですので、たまにはこんな話も出るわけで。
というか、私の登壇ネタは宇宙系と .NET Framework 系が半々くらいでしょうか。

発表資料:金環日食(PDF/900KB)

今回伝えたかったことは「目を大切に!」の一言に尽きます。
太陽光線は非常に強く、間違った日食観測は文字通り目を焼きます。
その目を焼いた例がここにいるわけでして、文字通り「痛い目」に会いました。
日食網膜症って、ぶっちゃければ網膜のヤケドなんだよ!

さて。
日食というのは、月が太陽を隠すことで起こる現象です。
ということは、新月の時にしか起こらないワケです。
しかし新月の時ならいつでも起こるかといえばそうでもなく、月の公転面は地球の公転面に対してわずかに傾いているため、ほとんどのケースでは月と太陽は別々の方向にあるわけです。

でもまぁ、全地球的には日食ってあまり珍しい現象でもなく、部分日食、皆既日食金環日食を合わせると、年に2、3回は発生しています。
ただ発生地域が恐ろしく限られるため、特定の地域に限っていえば「一生に一度見れるか否か」くらいになります。

んじゃまぁ、実際に日食網膜症を患った身として。
きっぱりと目が痛いです。
最盛期には、目をくりぬいた方がいいんじゃないかと思うくらい。
幸いにして私は完治しましたが、統計的には運のいい半数に入ったに過ぎません。
実際に、知人の中には視覚欠損にまで至った方もいますし。
てことは、日食網膜症になるくらいだったら観測を中止して次の機会を狙った方がいいわけです。
日食はちょっとがんばれば結構見えるけど、目は一度壊したら二度と元に戻りません。

では安全に観測するには、きちんとした遮光グラスがほしくなります。
ところが、遮光グラスって安物だと目を覆う面積が極端に小さいんですね。
これ、危ないと思うんです。
眼鏡をかけている方は、よほど大きな丸眼鏡でもないと眼鏡の縁が見えることを思い出してください。
遮光グラスかけていても、この縁の外に太陽があったら目を焼いてしまいます。
けっきょく、ビクセンの太陽観測グラスが一番確実ということになるわけです。

あとは、ピンホール法や投影法による観測。
こちらは太陽を直接見ない間接観測ですから、非常に安全です。
でもピンホールを通して太陽を見たり、投影板と望遠鏡の間に頭を突っ込む輩が出てくるでしょうから、指導者の監視の下、安全に観測していただきたいですね。